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至仏山の花 ~1~ [ハイキング / トレッキング]


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~ 至仏山 と その手前に広がる 尾瀬ヶ原 ~

尾瀬ヶ原の西端に位置する "至仏山" は燧ヶ岳とともに尾瀬を代表する名山。この山には超塩基性の蛇紋岩地特有の高山植物が特産することで知られている。7月中旬を過ぎた頃に、出合ったことのない花を求めて "フラワートレッキング" に出かけた



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"ヤマレコのGPS記録” をもとに作成

歩いたコース  鳩待峠 ー 山ノ鼻 ー 高天ヶ原 - 至仏山 ー 小至仏山 ー オヤマ沢田代  ー 原見岩 ー 鉢待峠
標  高  出発地点:1,597m 最高地点:2,204m 最低地点:1,407m 
累積標高  上り:821m 下り:806m
歩いた距離  約11.5km


ネットなどで調べたコースタイムは5時間ぐらいだったが、いつものように写真撮影などでかなりオーバーした。



宜しかったら、・・・・・続き ~至仏の花 その1 ~ をご覧ください。

 

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山ノ鼻 分岐

鳩待峠から200mほど下ると、1時間ほどで尾瀬ヶ原の西端 ~山ノ鼻~ に到着する。この分岐で至仏山方向(上画像の看板)に進む。尚、花の名前の後の ~ "〇〇科"~ は旧体系の分類を使っている。


☆☆☆☆☆ 至仏山に特産する植物 ① ☆☆☆☆☆

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シブツアサツキ (至仏浅葱 ユリ科)


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至仏浅葱の葉・花茎・花 

至仏山と谷川岳に特産。高山帯~亜高山帯の蛇紋岩地に生える。この花はシロウマアサツキの蛇紋岩変異種と言われ、基準標本は至仏山にある。シロウマアサツキに比べて、葉の太さは直径が1.5~3.0mmと細く(シロウマアサツキは3~5mm位)、花も2.5cm(同3~4cm)と小さい。



25-21ムラサキタカネアオヤギソウ.jpg25-22ムラサキタカネアオヤギソウ1.jpg

タカネシュロソウ (高嶺棕櫚草 ユリ科

花が紫色を帯びることから、別名 "ムラサキタカネアオヤギソウ" とも呼ばれる。シュロソウの高山型の変異種で、基準標本は至仏山にある。母種シュロソウは草丈が1mにもなるが、こちらは40cm程度にしかならない。



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ジョウシュウアズマギク (上州東菊 キク科)


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至仏山と谷川岳の蛇紋岩崩壊地に特産する。ミヤマアズマギクの変種で、基準標本は至仏山にある。花茎はやや暗紫色を帯び、母種に比べて、茎の細毛が長く密生し、葉が細い。



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ジョウシュウオニアザミ (上州鬼薊 キク科)


25-42ジョウシュウオニアザミ1.jpg25-42ジョウシュウオニアザミ2.jpg

群馬県から新潟県にかけての山地帯~亜高山帯の草地に特産する。尾瀬のオニアザミは全てジョウシュウオニアザミと言う。オニアザミに比べて葉の切れ込みが深く、総苞の外片と中片が細長く棘が鋭い。



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ホソバコゴメグサ (細羽小米草 ゴマノハグサ科)

月山から至仏山、谷川岳などの限られた山の乾いた草地に生える。日本固有種。


     参考・・・ ミヤマコゴメグサとの違い

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母種のミヤマコゴメグサ(上画像右 撮影:五色ヶ原)に似ているが、葉が細長い。



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燧ヶ岳と尾瀬ヶ原 ~至仏山の標高1,960m付近から~

 

 

☆☆☆☆☆ その他 の 植物 ① ☆☆☆☆☆

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オオバツツジ (大葉躑躅 ツツジ科)


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オオバツツジの花

本州中部以北の日本海側の山地帯~高山帯に分布。尾瀬では至仏山~小至仏山にかけてと、笠ヶ岳周辺の限られたところにしか見られない。花の内側に緑色の斑点、花柄に繊毛がある(上画像)。



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タカネニガナ (高嶺苦菜 キク科)

ニガナの高山型で本州・四国の亜高山帯~高山帯の岩の隙間に生える。ニガナの舌状花(花弁)は普通5枚だが、タカネニガナは8~11枚と多い。



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クルマユリ (車百合 ユリ科)

オレンジ色がよく目立つ "クルマユリ” は、花がオニユリに似ているが、葉の付き方が "車葉" になるのでよくわかる。湿原内にあるのはオニユリが多いが、この百合は至仏の中腹によく見られる。



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マルバイワシモツケ (丸葉岩下野 バラ科)

本州の三陸や尾瀬、長野県などに限られて分布するという。尾瀬では至仏山や山ノ鼻に見られる。葉がほぼ円形で、花や葉がイワシモツケに比べて大きい。がく片の様子も異なるようだが、現地ではよく見なかった。



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タカネナデシコ (高嶺撫子 ナデシコ科)


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北海道~本州中部地方の高山帯の岩礫地や草地に生える。カワラナデシコの高山型変種で、ピンク色の細かく縮れた花弁が特徴。



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タカネシオガマ (高嶺塩竈 ゴマノハグサ科)


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北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地に生える。高山の花とはいえ、至仏山では標高1,700mの森林限界付近から見ることができる。よく似た花に "ミヤマシオガマ” があるが、タカネシオガマの葉の裂片は幅が広く、こちらは裂片が細かい。



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ヨツバシオガマ (四葉塩竈 ゴマノハグサ科)

至仏では、ヨツバシオガマもタカネシオガマと同様に森林限界付近で見ることができる。ヨツバシオガマはタカネシオガマに比べて草丈が高くなるが、花の付き方がまばらで、遠目にも区別できる。



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タテヤマリンドウ (立山竜胆 リンドウ科)


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北海道・本州三重県以北の山地帯~亜高山帯の湿地に生える。草丈は10cm前後で、花は淡青紫色~帯紫白色。ときに白花が見られるが、こちらは"シロバナタテヤマリンドウ"と呼ばれている。似た花にミヤマリンドウ(円内)がある。ミヤマリンドウは葉が丸みを帯び、水平に開いて対生すること、花弁の中心部に筋状の点がないことなどで区別できる。




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ミネウスユキソウ (嶺薄雪草 キク科)

本州の中部地方以北の高山帯のやや乾燥した草地に生える。尾瀬では至仏山や笠ヶ岳に多く見られるが、燧ヶ岳にはほとんど無いと言われている。ウスユキソウの一品種(同一種として扱われることもあるようだ)とされている。ウスユキソウの頭花には柄がはっきりとしているが、ミネウスユキソウにはっきりとした柄がないことで区別している。



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至仏山の山頂間近で ~高天ヶ原~

標高2、118m付近から燧ヶ岳と尾瀬ヶ原を眺める。山頂まで高度差約100m、ここから高天ヶ原のお花畑が始まる。木製の階段が続き、両側にタカネシオガマやタカネナデシコ、オゼソウなどの花畑ご広がる。あと一歩と言うところでカメラをあちこちに向けなければ先へ進めなくなってしまった。



ご訪問ありがとうございました。


続きは ・・・・・ 次回をお待ちください。





タグ:202108
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コメント 14

Mitch

やっぱり山はいいですね~
また行きたいけど、無理だろうな~(涙;)
by Mitch (2021-08-07 17:34) 

侘び助

三蜜・外出自粛灘が続きもう2年巣ごもりの日々
交通社からはパンフレットが届くようになりましたが
申し込む勇気は出ません、旅の楽しさ…忘れてしまいそう(-_-;)
by 侘び助 (2021-08-07 19:37) 

tochimochi

けっこうロングでしたね。至仏山の登りは暑かったでしょうが、いろんな花が癒してくれたと察します。尾瀬ヶ原をバックにした眺めもいいですね。
クルマユリとオニユリの違いは勉強になりました。
by tochimochi (2021-08-07 21:34) 

Baldhead1010

好きなお花を撮りながら時間をかけての登山、時を忘れますね。

気がつけば、あらま、こんなに日が傾いて^^
by Baldhead1010 (2021-08-08 04:11) 

michi

おはようございます。"コロナ"、我が県も感染拡大で新潟市には"特別警報"発令中です。県外への行き来はと当分自粛ですね。

Mitchさん:当市も感染者が毎日増えてきています。山への関心は薄れませんが、やはり気をつけなくてはいけませんね。

侘び助さん:我が家へもある旅ツアー会社からパンフレットは届くんですが、今は海外も国内も無理ですね。行きたいところはたくさん残っているんですが、ツアー参加はもう諦めています。

tochimochiさん:おっしゃるとおりです。初めの予定は鳩待峠からすぐに至仏に計画だったんですが、せっかくだから山ノ鼻を回ってと変更したんです。その結果、標高差
で約200mは増えてしまいました。でも、その分いろんな花に出会えて満足しました。

Baldhead1010さん:"気がつけば"・・・よくあるパターンです。夏場はいいですが、秋になると早くに暗くなるので、気をつけなくていかないですね。今回は、通常(?)コースタイムの1.3倍いくら維持間がかかったようです。

ご訪問ありがとうございます。
xml_xslさん

tomi_tomiさん

絵瑠さん

ゆるりさん

グリーンさん

テリーさん

tarouさん

斗夢さん


by michi (2021-08-08 07:07) 

Jetstream

花々が目に入ると、ストップしてしまいますね。!(^^)!(笑)
天気も良く、眺めもいいです。出かけたい!!!
by Jetstream (2021-08-08 12:06) 

いろは

こんにちは^^
特有の高山植物が見られて良かったですね。
アサツキやジョウシュウアズマギクが可愛いですね♪
タテヤマリンドウは大好きなお花です。
やはり山はいいですね〜もう私は無理ですけど^^
by いろは (2021-08-08 12:15) 

g_g

珍しい高山植物が見られ参考になります。
若い時に歩きたかった場所です・・・
by g_g (2021-08-08 17:30) 

せつこ

おはようございます^^
尾瀬ヶ原、歩きたいなぁ~
わが夫婦、太って中々体重が落ちなく、しばらく登山を休んでます。
そこへマスク登山は苦しいから、頑張って体重を減らすチャレンジです。
高山植物見たいなぁ~~
by せつこ (2021-08-09 08:41) 

michi

台風9号の影響か、雨雲が通過しているようです。でも、ポツリポツリ程度です。

Jetstreamさん:山頂に向かう途中は天気がよかったんです。暑くて大変でしたが。山頂で少し心配になって、早めに下山を開始しました。それでも、途中で雨~雷~雹、・・・と。山は天候が崩れると大変ですね。

いろはさん:至仏山は蛇紋岩の山なので、超塩基性の地に特化した植物がたくさんあります。そんな花に出会えてよかったですよ。

g_gさん:私も、もっと若いときに登りたかったと反省しています。7月の1週目に来られれば、別の花も見られたのにと思いました。

せつこさん:もう2~3日遅くすると登山者が増えると思って、この日に登りました。正解でしたね、"密"がなかったので、マスクは移動の車の中だけでした。初めて見た花もあって堪能したトレッキングとなりました。

ご訪問ありがとうございます。
ネオ・アッキーさん

んぼちぼちぼちさん

mayuさん

ずん♪さん

by michi (2021-08-09 10:27) 

OJJ

至仏山のフラワートレッキング、憧れです。山そのものはTVで西田何某のドローン撮影をよく見ますが、花はやっぱり歩いてその目で見るのが良いですね~(花好きは時間が大変でしょうが・・)
名前はダメですが1/3位は見たこと有るな・・と喜んでいます。感謝!
by OJJ (2021-08-09 10:50) 

michi

OJJさん:確かに時間がかかりますね、花好きは。ツアーに参加しても、いつも最後尾、それも時々催促されています。花の名前は、いいんです。見たことの無い花を見つけるのが楽しみなんですよ。もちろん山歩きそのものも楽しいですが。

ご訪問ありがとうございます。
Hideさん

めもてるさん

よしころんさん

enosanさん


by michi (2021-08-09 16:42) 

旅爺さん

沢山の花に出会えて至仏山も楽しめて良い想い出ですね。
爺も尾瀬は福島側からも含めて何度か行きました。
でも至仏山は登ってないんです。
by 旅爺さん (2021-08-10 17:54) 

michi

列島全体がが台風(台風崩れの温帯低気圧)に翻弄されてしまいましたが、今度は“梅雨前線(季節外れの)”がやっと北上しそうで、“梅雨末期”の豪雨が心配になってきました。TVで異常気象の番組を見ましたが、大変な時代が間違いなくやってくるでしょうね。

旅爺さんさん:尾瀬に行ったのはもう何年も前になります。尾瀬ヶ原を歩いただけです。至仏はもちろん初めてで、いろんな花と出会えて楽しかったです。

ご訪問ありがとうございます。
kazu-kun2626さん

ヤッペママさん

Inatimyさん

ソレイユさん

kerokeroさん

翁草さん

SWEETさん

by michi (2021-08-11 18:39) 

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