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至仏山の花 ~ 2 ~ [ハイキング / トレッキング]


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至仏山山頂まで30分のところに広がる ~高天ヶ原~

山ノ鼻から4時間近くもかけて登ってきた"高ヶ原"。標高約2,100m前後のところにお花畑が広がる。山ノ鼻ー至仏山は高山植物保護のため、登りの一方向だけが許可されている。そのため、高天ヶ原のお花畑を見るためには山ノ鼻から登ってくるコースをとらなければいけない。


山ノ鼻ー至仏山山頂は一気に820mも登らないといけない。

体力的にきついコースとなった。


宜しかったら、・・・・・続き ~至仏の花 その2 ~ をご覧ください。



☆☆☆☆☆ 至仏山に特産する植物 ② ☆☆☆☆☆

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オゼソウ (尾瀬草 ユリ科)


41-12オゼソウ2.jpg基準標本は至仏山

亜高山帯~高山帯の蛇紋岩地の湿った草地の生えるの日本固有種。至仏山・谷川岳に特産する。花茎が20cm位にしかならなず、色も目立たない花だが、尾瀬の名前がついたこの植物には以前からずっと会いたいと思っていた。やっと念願が叶った。



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カトウハコベ (加藤繁縷 ナデシコ科)


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高山帯の超塩基性岩の岩礫地に生える日本固有種。早池峰山や至仏山、谷川岳に分布する。和名の"カトウハコベ"は、早池峰山での発見者~加藤泰秋~にちなむ。




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クモイイカリソウ (雲居碇草 メギ科) 

亜高山帯~高山帯の蛇紋岩の崩壊地や岩礫地に生えるの日本固有種で絶滅危惧種。至仏山・谷川岳に特産し、基準標本は至仏山にある。花は終わっていたが、葉が母種のキバナイカリソウのように細く尖るが、鋸歯も棘も無く茶色の縁取りがあることからクモイイカリソウと考えた。



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ジョウエツキバナノコマノツメ (上越黄花の駒の爪)


至仏山・谷川岳に特産する。"キバナノコマノツメ" の蛇紋岩地に適応した変種とされている。母種に比べて葉が厚く毛が少ない。

      参考(キバナノコマノツケ & クモマスミレ)

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黄花の "スミレ” は、五色ヶ原などでキバナノコマノツメ、クモマスミレを見ている(上画像2種)。左は葉に毛があり、右は葉に光沢があるところなどがジョウエツキバナノコマノツメとは異なる。



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ホソバヒナウスユキソウ (細葉雛薄雪草 キク科)


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至仏山・谷川岳の蛇紋岩地帯の崩壊地や風衝草原に生育する。ミヤマウスユキソウの変種で、母種に比べて、花のつかない茎の葉が細く、"華奢"な感じがする。ミヤマウスユキソウは5月末に月山で見ている(参考:以前のブログ こちらから ご覧ください)。



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高天ヶ原に咲く ~コバイケイソウ~



☆☆☆☆☆ その他 の 植物 ② ☆☆☆☆☆

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ムシトリスミレ (虫取菫 タヌキモ科)

亜高山帯~高山帯の湿地や湿った草地、岸壁に生える食虫植物。"〇〇スミレ"とあるが、スミレの仲間ではなく"タヌキモ"の仲間。この花は、尾瀬では至仏山とアヤメ平で見ることができると言うが、至仏山系でも気をつけていないと見落としてしまうそうだ



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ハクサンイチゲ (白山一華 キンポウゲ科)

日本固有種で、日本を代表する高山植物の一つに挙げることができる。



   ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆

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至仏山山頂(標高:2,228m)

下山直後の岩場から山頂を振り返る。左端が山頂、右奥に燧ヶ岳・尾瀬ヶ原が見える。山頂付近の雲の中に何かが映り込んでいる。・・・至仏山 ~ 予 告 ~編の画像再掲・・・


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    これを拡大すると・・・

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山頂の乱舞する"トンボ"

私たちが山頂に着いた直後の写真には・・・・・これだけのトンボが映り込んでいた。おそらくは赤とんぼ(アキアカネ)だろう。里へ下りていくのもまもなくだろう。

☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆



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ホソバツメクサ (細葉爪草 ナデシコ科)

本州中部地方以北の高山帯の岩場や砂礫地に生える多年草。至仏山の岩場では、大小の群落をいたる所で見ることができる。



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ハクサンシャクナゲ (白山石楠花 ツツジ科)

小至仏山の山頂を通過し、降りてきた方向を振り返ってみた。ハイマツの中に旬を迎えたハクサンショクナゲの花があちこちに見える。背後の山は燧ヶ岳。



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ハクサンシャクナゲ ・・・ 花の内側に緑の斑点 ・・・

四国の石鎚山・本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の針葉樹林の中などに生える常緑の低木。花冠の内側に緑色の斑点があることなどから他のシャクナゲと区別できる。



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ミヤマウイキョウ (深山茴香 セリ科)

四国の剣山や本州中部地方以北の高山帯の草地や岩の隙間に生える多年草。セリ科の仲間で葉が細かく分かれるのはミヤマウイキョウだけのようだ。"ウイキョウ(フェンネル)" は同じセリ科の別の仲間。



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コメツツジ (米躑躅 ツツジ科)

山地帯~高山帯の岩礫地や岩の隙間などに生える落葉低木。花は地味だが、赤茶けた蛇紋岩の前に広がる"緑"の中に白色の小さな花がよく目立つ。



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小至仏山山頂から・・・至仏山を見上げる

上画像の右方向を見ると・・・・・


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燧ヶ岳と尾瀬ヶ原

手前の白っぽいところは登り始めた “山ノ鼻”。至仏山~小至仏山の上空が黒雲に覆われ始めた。予報より天気の崩れが早まったのか? 下山を急ぐ。




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 チングルマ (稚児車 バラ科)

オヤマ沢田代(標高:2,040m)手前にお花畑があって、山ノ鼻からの登りには見られなかった花が咲いている。降り始めてきた雨を心配しながら花に向かってしまった



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シナノキンバイ (信濃金梅 キンポウゲ科)



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イワガゼ(岩黄櫨 ツツジ科)

別名を"アカモノ”と言い、北海道や本州、四国の低山帯~亜高山帯の日当たりのよいところの生える常緑の低木。鮮やかな赤色の萼がよく目立つ。



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オヤマ沢田代の湿原


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湿原に咲く ~ワタスゲ (綿菅 カヤツリグサ科)~

中部地方以北の亜高山帯~高山帯の高層湿原に大群落をつくる。この湿原に咲くワタスゲは旬を少し過ぎていて、しかも前日までの(?)雨で綿毛が湿って固まっている。



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湿原周辺に咲く ~ハクサンシャクナゲ~



原見岩(標高1,902m)付近を過ぎる頃から雨が少し増え始めた。更に針葉樹林帯に入る頃には雷雨となり、時折 "雹” にも見舞われてしまった。



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鳩待峠 到着

 

至仏山登山は、最後に"雷雨” のおまけもあったが、<鳩待峠~山ノ鼻~至仏山~鳩待峠> を周回するフラワートレッキングとなった。憧れの至仏山で、初めての花や特産の花などを撮り「高山植物写真図録」に新たな1ページを追加することができた

 


ご訪問ありがとうございました。



タグ:202108
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コメント 16

旅爺さん

やはり尾瀬はいろんな高山系の花が見られるのが楽しいですね。
鳩待峠から行ったのはもう60年近く前で殆どは福島側の檜枝岐からでした。80を過ぎた今でもいろんな事が思い出されます。

by 旅爺さん (2021-08-14 11:14) 

michi

ご訪問 & コメントありがとうございます。私は檜枝岐から入ったことが大昔に3回あるだけで、今回が久しぶりの尾瀬でした。前から行きたかった至仏山ですが、コロナ禍の昨今なので迷っていましたが、三密に気をつけて歩いてきました。花旅を楽しむことができました。
by michi (2021-08-14 11:21) 

せつこ

こんにちは~~
良かったですね、お天気もそう悪くなたった感じで……!
3年前に檜枝岐へ遊びに行って尾瀬へ行こうと計画しましたが、それからコロナ問題が起きて頓挫です。
太ってしまったので無理かもしれない(-.-)
by せつこ (2021-08-14 13:06) 

いろは

こんにちは^^
オゼソウは見た事がなくて...
谷川岳にもあるのですね。
沢山の高山植物に会えて、素敵な花旅でしたね♪
ハクサンイチゲは大好きなお花です^^
by いろは (2021-08-14 14:48) 

斗夢

自分の足で歩けないので。もっぱらTVの番組で堪能しています。
by 斗夢 (2021-08-14 16:04) 

侘び助

何時だったかな? お盆に来た孫たちとご在所岳に
頂上には赤とんぼ?が一杯飛んでいました。
トンボが山を下ると秋になるって・・・
誰かが言っていたような思い出(^_-)-☆
by 侘び助 (2021-08-14 16:53) 

OJJ

こうやって至仏山の数限りない山野草を見せて頂くと花は何処にでも咲くんだな~と今更ながらに感じました。目に入るか否かは心次第だな~と。お盆に至仏とは限りなくおもいをはせます。素晴らしいです。
時期が合わず実はコバイケイソウの本物を見たことないのです。感謝!
by OJJ (2021-08-14 17:00) 

g_g

貴重な珍しい高山植物を拝見させて頂きました。
まだ見ぬ花が幾つも目にして、良い保養になりました。
by g_g (2021-08-14 17:48) 

Mitch

高山植物を見るのは大好きなんですが、名前が分からず調べるのに
とても苦労します。
michiさんはよくお分かりになりますね、うらやましいです。
おびただしい数のトンボですね^^
by Mitch (2021-08-14 17:50) 

tochimochi

至仏山は一方通行なんですよね。山の鼻からだと登りがきつくて大変でしたね。この時期の南会津の山々はアキアカネが群舞してますよね。会津駒で見た指先にも止まってくれる大群は忘れられません。
ハクサンイチゲも咲いてるんですね。さすがは花の至仏山です。
by tochimochi (2021-08-14 21:14) 

Jetstream

至仏山、これだけの花が一度に見られる山は稀有です。
山の鼻経由、反時計回りですね。大変ですがその分、花が楽しめていいですね。チングルマの群生、素晴らしいです。
by Jetstream (2021-08-14 23:39) 

Baldhead1010

どのお花も見たことないものばかりです。
見た目が”高山植物”と思わせるのは、環境故、凜としている姿だからでしょうか。
by Baldhead1010 (2021-08-15 03:54) 

michi

こんにちは。時季外れの "梅雨前線" が少し南下してくれましたが、安心できません。また北上して停滞するとの予想も出ています。太平洋と大陸の高気圧の勢力関係がおかしくなっているのが原因なんでしょうか?

せつこさん:最後に天候が悪化してしまったんです。15時頃から悪化する予報だったんですが、山の天気は変わるんです。雨~雷~雹の中降りてきました。

いろはさん:のんびりと花を楽しみながらのトレッキングでした。下りの後半の天気がよくなかったので、もう少し時間が欲しかったところですね。

斗夢さん:TVで歩いたことのある番組を見るのも楽しいですね。私も旅番組や登山関連番組をよく見ます。

侘び助さん:山頂でトンボの大集団を見るのも久しぶりでした。トンボも"避暑"に出かけるんでしょうかね。

OJJさん:今年はコバイケソウの当たり年になっている山が結構あるみたいですね。月山では最高の時期の遭遇しました。

g_gさん:貴重な至仏特産の植物にたくさん出会えてよかったです。もちろん初めて見る植物もありました。

Mitchさん:ちょうど山頂に着いたときが一番賑やかな時間でした。面白いもので、一時でいなくなるんです。

tochimochiさん:至仏は高山植物の宝庫ですね。運良くたくさんの花の旬の時期の上れましたが。もう少し会いたかった花もあったんですが、行くのが遅かったものが少しだけありました。

Jetstreamさん:山ノ鼻と山頂の間に、見たい花がかなり集まっていました。反時計回りでの登山がうまくいったことになります(その分、帰りの天候悪化につながりましたが)。

Baldhead1010さん:至仏の花は、特に超塩基性岩~厳しい環境への適応~した結果なんでしょうね。

ご訪問ありがとうございます。
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by michi (2021-08-15 16:03) 

夏炉冬扇

お茶だとすぐ入ります。
まあ、コーヒーもそんなに手間はかかりませんが。朝はお茶の方が胃に負担はないと思いますが。
by 夏炉冬扇 (2021-08-17 17:57) 

旅爺さん

太平洋側の高気圧のせいで線状降水帯が居座って
連日雨・雨で鬱陶しい上に寒くなってきましたね。
コロナが益々広がってこの先どうなるんでしょうね。
by 旅爺さん (2021-08-17 18:12) 

michi

夏炉冬扇さん:そうですね。でも、コーヒーも朝の一杯が旨いんですよ(お茶も大好きですが)。今日は白菜畑の畝作りに大汗をかきました。

旅爺さんさん:コロナに線状降水帯、・・・あまり居座って欲しくないですね。うちにばかりいると、体調によくないです。

ご訪問ありがとうございます。
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by michi (2021-08-19 17:30) 

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